過去最多の参加を得たCGGSⅢが閉幕しました。会合に参加したCG機関を地域ごとに紹介していきます。
はじめに
№ | 参加機関名 | 参加機関 所属組織 | 組織 形態 | Ⅰ 2017 H29 | Ⅱ 2019 R1 | Ⅲ 2023 R5 |
1 | バーレーン 沿岸警備隊 | 内務省 | 独立 | 〇 | 〇 | |
2 | イラン 沿岸警備隊 | 内務省 | 国境 | 〇 | ||
3 | ヨルダン海軍 | 統合参謀本部 国王直属 | 軍事 | 〇 | ||
4 | オマーン王立警察 沿岸警備隊 | 国王直属 | 警察 | 〇 | ||
5 | カタール 沿岸警備隊 | 内務省 | 独立 | 〇 | ||
6 | サウジアラビア 国境警備隊 | 内務省 | 国境 | 〇 | ||
7 | トルコ 沿岸警備隊 | 内務省 | 独立 | 〇 | 〇 | 〇 |
世界海上保安機関長官級会合への参加国・不参加国を取り上げ、俯瞰するシリーズ第3回。
今回はミドルイースト:中東諸国のCG機関をご紹介します。
ところで皆さんは中東と聞いてどんなイメージが思い浮かびますか?
たとえば、
砂漠・石油・アラブの王族・イスラム教・様々な対立や紛争…。
私自身がそうなのですが、おそらく大体こんなイメージではないでしょうか。
そして、
これらの中に海や港のイメージが無いことに気が付きます。
考えてみれば採掘した石油をタンカーで運び出すほか、アジアとヨーロッパ圏を結ぶ海上交通の中継地でもあるのが中東諸国。
にも関わらず海洋国家という印象に乏しいのは、やはり陸路シルクロードのイメージが強いからでしょうか。
さらにはそうした国々のコーストガード機関となると、なかなか想像がつきません。
そこで今回も少しずつこの地域の解像度を上げながら、ご紹介していくことにします。
中東情勢の理解のために
親米的 | どちらとも 言えない | 反米的 | |
イスラム教 スンニ派 | ヨルダン オマーン カタール サウジアラビア アラブ首長国連邦 クェート イエメン正統政府 | トルコ パレスチナ | アフガニスタン シリア |
イスラム教 シーア派 | バーレーン | イラク | イラン フーシ派イエメン |
その他 | イスラエル (ユダヤ教) | レバノン (キリスト教) |
導入としてイスラム教の宗派とアメリカとの関係を切り口に概観します。
まず、
イスラム教にはスンニ派とシーア派の2大宗派があります。
この二つは教義をどのような体制で受け継ぐか、という点で異なっています。
シーア派は預言者ムハンマドの血統を引き継ぐ者によって、共同体を指導するべきという考え方。
スンニ派は預言者ムハンマド以来の慣行や合意形成によって、共同体を運営していこうとする考え方。
(このサイトではシーア派を血統のイメージから赤色で表しています)
なお、勢力としてはスンニ派の国が多いのですが、この二つはイスラム共同体の在り方による違いであって、決定的な教義対立の原因というわけではありません。
次に、
アメリカとの関係性について。
アメリカ合衆国との関係が良好であるか否かは、その国がいわゆる西欧的な価値観と併存できるかどうかを探る一つの指標とも言えます。
この点でアメリカと対立することの多いシーア派の大国イランが有名です。
しかし国際関係は常に流動的であって、イランも1979年のイラン革命以前は親欧米的な政策をとっていたことは忘れてはなりません。
また、同じくシーア派を主流とするバーレーンはアメリカと極めて友好的であり、同国に米国沿岸警備隊の基地を置くほどです。
以上のように、
一概に中東と言っても様々な立場や利害関係が存在しています。
それでは以下、
こうした異なる国々の中から生まれたCG機関同士にどのような共通点または違いがあるかを見ていきましょう。
独立機関型の国
参加機関名 | 参加機関 所属組織 | 組織 形態 | Ⅰ 2017 H29 | Ⅱ 2019 R1 | Ⅲ 2023 R5 |
バーレーン 沿岸警備隊 | 内務省 | 独立 | 〇 | 〇 | |
カタール 沿岸警備隊 | 内務省 | 独立 | 〇 | ||
トルコ 沿岸警備隊 | 内務省 | 独立 | 〇 | 〇 | 〇 |
バーレーン王国
Bahrain Coast Guard directorate
バーレーン沿岸警備隊
https://www.interior.gov.bh/
バーレーン王国はアラビア半島の東、ペルシャ湾に浮かぶ島国です。
古代から貿易中継地として栄える一方、天然真珠の採取も長く行われてきました。
また、漁業(魚・エビ)もさかんに行われており、したがって同国の沿岸警備隊は密漁対策や違法漁具の使用規制に力を注いでいます。
アラ・アブドゥラ・セヤディ准将(バーレーン王国沿岸警備隊司令官)インタビュー
バーレーンの沿岸警備隊は、王国と地域の安全、治安、経済的繁栄を確保する重要な役割を担っています
By Edward H. Lundquist – 2017年 9月 28日アラ・アブドゥラ・セヤディ准将(バーレーン王国沿岸警備隊司令官)インタビュー |防衛メディアネットワーク (defensemedianetwork.com)
さらに特筆すべきは首都マナーマにアメリカ海軍とアメリカ沿岸警備隊の基地が置かれていること。
ここにアメリカ海軍の第5艦隊と、
USCGの南西アジアパトロール部隊(PATFORSWA)の巡視船が6隻配備されています。
また、アデン湾・ソマリア沖の海賊に対する各国有志連合の司令部も置かれ、日本の海上自衛隊部隊(同乗する海上保安官ふくむ)もここを根拠地としているのです。
以上、
こうしたアメリカとの関係の深さもあってか、バーレーン沿岸警備隊はUSCGや海上保安庁と同じく独立機関型です。
なお、バーレーン海軍も存在しますが、これとは別に沿岸警備隊は内務省に属します。
よって法執行機関として明確である点も類似しています。
バーレーン内務省インスタグラムより
トルコ共和国
Turkish Coast Guard Command
トルコ沿岸警備隊
https://www.sg.gov.tr/
次は中東地域の一番西側にある国:トルコ共和国を見ていきます。
トルコは古くからヨーロッパとアジアにまたがる東西の結節点として栄えてきました。
さらに南北についても、世界有数の海上交通の要衝でもあります。
特に地中海・エーゲ海と黒海を結ぶ一本の水路はトルコ海峡と総称され、すべてトルコの領海・内水の範囲内にあります。
元々、地理的に重要な位置にあったトルコですが、2022年2月24日から始まったロシアによるウクライナ侵攻に関連して存在感も増しています。
有名なのはトルコ海峡(ダーダネルス海峡~マルマラ海~ボスポラス海峡)における軍艦の航行をトルコ政府が禁止していること。
これは通称モントルー条約という国際条約に基づいてトルコ政府に認められた権限です。
1936年7月20日「モントルー」において署名せられたる海峡制度に関する条約
第19条
戦時において「トルコ」国が交戦状態にあらざるときは、軍艦は第10条乃至第18条に規定せらるるところと同一の条件の下に海峡における通過及び航行の完全なる自由を享有すべし。尤も(中略)いずれの交戦国の軍艦に対しても海峡の通過は禁止せらるべし。
(後略)※「乃至」は〇〇から〇〇までという意味。
官報 1937年02月26日 – 国立国会図書館デジタルコレクション (ndl.go.jp)
※管理人が原文を現代仮名遣いに改め、句読点を加えている。
実際にウクライナ侵攻後、ロシアは新たな軍艦を黒海へ回航させることができていません。
このように軍事・安全保障の面からも周辺国に強い影響力を持っているのが、トルコ共和国というわけです。
さて。
トルコにはトルコ沿岸警備隊が存在し、過去3回のCGGSにすべて参加しています。
これは中東地域諸国では唯一の実績であり、トルコが海洋政策に力を注いでいる証拠だとも言えます。
TCGには語るべきユニークな点が多いのですが、今回はトルコ国海事制度における組織の位置づけを眺めるとともに、日本の海上保安庁との異同について紹介することにします。
トルコ共和国
海事関係 組織図
日本
海事関係 組織図
まずTCGはトルコ内務省(ministry of interior)に属する組織です。
各国における“内務省”の業務範囲は様々ですが、多くの国で国内治安・入国管理行政について所管しています。
同様にトルコでもTCG司令部の他に安全保障総局(警察行政担当部局)や憲兵隊総司令部といった治安機関が内務省の傘下にあります。
さらに沿岸警備隊員は長官(中将)の指揮監督の下で、大きく3つの任務を遂行しています。
①司法警察任務
犯罪捜査とそれに関連する訴追事務。
②軍事任務
有事における海軍司令部の指揮下での任務。
平時における軍事訓練・研修への参加。
③行政警察任務
①と②に含まれない広範な業務。
捜索救助、密輸防止、漁業法の監督、環境保全、船舶の航行規則にかかる臨検など。
②の軍事任務以外は海上保安庁も同様であり、そこに海上保安業務の共通性を見出すことができます。
ただし、海上保安庁が担っている航路安全情報の提供や、灯台・航路標識の保守管理をTCGは行っていません。
と言うのも、これらについては交通インフラ省傘下の沿岸安全総局の担当となっているため。
さらに海図の作成や海洋調査はトルコ海軍が担当しています。
つまりトルコの海事制度は、
船舶交通に関する基盤を交通インフラ省が整備し、海軍が海図情報を民間に提供し、海上における実働勢力として沿岸警備隊が展開する、機能分散型の体制だと言えるでしょう。
一方、日本でも戦前は帝国海軍が水路測量・海図作製を行っていましたが、現在では国土交通省の外局である海上保安庁の海洋情報部にこの業務は引き継がれています。
また、船舶交通の安全業務についても同庁の交通部がこれを担当。
すなわち国土交通省と海上保安庁とで一元的に業務を実施しているのであり、日本は機能集約型の体制だと言うことができます。
以上のように日本と他国の制度を比較検討することは、相手国を知るのみならず自国の理解を深めることにつながります。
この点、トルコ政府の各官庁のホームページは情報が充実しており、言語の壁を除けば比較研究がしやすい対象です。
日本とトルコ双方のためにこうした研究が進むことを期待するものです。
【参考画像】
2023年9月5日~8日、第19回アジア海上保安機関長官級会合(開催地トルコ:イスタンブール)
国境警備機関 傘下型の国
参加機関名 | 参加機関 所属組織 | 組織 形態 | Ⅰ 2017 H29 | Ⅱ 2019 R1 | Ⅲ 2023 R5 |
イラン 沿岸警備隊 | 内務省 | 国境 | 〇 | ||
サウジアラビア 国境警備隊 | 内務省 | 国境 | 〇 |
ここからは国境警備機関傘下型のCG機関をご紹介します。
その前に国境警備機関、
いわゆる国境警備隊について簡単に説明しておきます。
ボーダー・ガード、
ボーダー・フォース、
ボーダー・パトロールなど呼び方は各国で様々ですが、主として陸上国境における警備活動を行っている部隊を指します。
(当サイトではコーストガードとの対比のために、便宜上ボーダーガードと呼称します)
そして、この国境警備隊は欧米からアジア各国まで広く設置されています。
ただし、現代の日本では他国との陸上国境を持たないため、なかなかイメージしづらいところ。
例えばアメリカにはボーダー・パトロールが存在し、特にメキシコ国境における警備に力を注いでいます。
なお、これは米国沿岸警備隊と同じく国土安全保障省に属する組織ですが、軍事的組織ではない点がUSCGとは異なります。
その一方、
インドのボーダー・セキュリティ・フォースは内務省に属するものの、その組織規模は世界最大とされ、一つの軍種にも近いほど。
ちなみにインド沿岸警備隊は国防省に属していますが、海軍とは別の組織です。
以上のように、
“国境警備隊”全般について考えてみると、各国における組織の性格は実に多様。
すなわち陸軍の歩兵部隊に近いものから、一般警察に近いものまで。
組織の規模や性格にはグラデーションが存在し、一概に「国境警備隊とはこうだ」とは言えない難しさがあるのです。
(沿岸警備隊はもっと難しいのですが…)
さて。
こうした前提をふまえながら、実際の国々を見ていきましょう。
イラン・イスラム共和国
Coastal Guard of I.R. Iran
イラン沿岸警備隊
https://dolat.ir/cat/200
イラン・イスラム共和国はアラビア半島からペルシャ湾・オマーン湾をはさんで対岸の大陸国家。
その半島と大陸が最も接近している部分がホルムズ海峡で、日本のタンカーもここを通過して石油を運んでいます。
さらに同国の北部は世界最大の湖カスピ海に面しており、ロシア・アゼルバイジャン・トルクメニスタン・カザフスタンと接しています。
こうしてみると、
イランもなかなかの海洋国家なのですが、あまりそうしたイメージがないのは国土の大半がイラン高原にあるためと思われます。
さて、
そんなイランにおける沿岸警備隊は“Coastal Guard of I.R. Iran”の名義でCGGSⅢに初参加しています。
(I.R.Iranはイスラミック・リパブリック・オブ・イランの略)
ただし、同組織については政府公式HPに詳しい情報が掲載されていません。
そこで他のウィキペディアやニュース記事などから、情報を抽出してご紹介することにします。
まず、イラン沿岸警備隊は国境警備隊司令部に属しており、同司令部はさらに通称ファラジャと呼ばれる法執行司令部に属しています。
この法執行司令部の下には他にも一般警察や入国管理部局も置かれ、これら治安機関を統括する最上位がイラン内務省のようです。
(※法執行司令部は軍参謀本部とも密接な関係にあるようで、組織の従属関係については確定的ではないことをご容赦ください)
なお、沿岸警備隊は国境警備隊司令部本体の一部門ではなく、ある程度独立した下部機関ではないかと私は考察します。
その理由にはCGGSⅢに独自の名義で参加していることや、周辺国の沿岸警備隊とも組織独自の外交活動を行っていることが挙げられます。
イラン・UAE沿岸警備隊合同会議
イラン沿岸警備隊とアラブ首長国連邦の当局者による第6回合同会議がテヘランで開催される。
2019.07.30 – 2019.07.31 更新左:UAE司令官 右:イラン司令官 アナドル通信社 記事より
イラン・UAE沿岸警備隊合同会議 (aa.com.tr)
イラン・オマーン沿岸警備隊の海上安全保障に関する第3回合同会議
2022年 3月 08日(火) / 10:29左:オマーン代表団 右:イラン代表団 イラン学生通信社 記事より
イラン・オマーン沿岸警備隊が第3回海上安全保障合同会議を開催 – ISNA
ただし、沿岸警備隊の船艇勢力はごく小規模にとどまるようです。
これは海人社『世界の海軍2024-2025』におけるイランの頁に、コーストガード勢力についての記述がないため。(p61)
おそらく沿岸警備隊に関する情報が不足しているか、小型ボートなどが主力であり掲載基準に満たないのではと推察します。
そして、ここまでの情報を整理すると、
内務省
法執行司令部
国境警備隊司令部
沿岸警備隊
…という上下関係になるものと思われます。
すなわち、イラン沿岸警備隊はアンダー・ボーダーガードCGだと言えるでしょう。
最後にイランCGGS初参加の意義について。
そもそもイランがアメリカと政治的・軍事的に鋭く対立していることはつとに有名です。
他方、
アメリカ合衆国と日本、
アメリカ沿岸警備隊と海上保安庁は強固に結びついた間柄。
その海上保安庁(と日本財団)が主催するCGGSにイラン沿岸警備隊が参加し、USCGと席を同じくしたことは私としては意外でした。
しかし、考えてみれば日本とイランの関係自体は良好です。
もしかするとCGGSの主催が日本であったからこそ、イランは参加したのかもしれません。
また、どのような政治的・軍事的対立があろうとも、海上保安分野では他国と協調的な行動をとる方がメリットがあるというイラン政府の認識もあることと思います。
とりわけ海上における人命・財産の保護、海洋汚染の防止といった課題は一国だけで解決できる問題ではありません。
それ故に海上保安分野は共通の課題への国家間の結束を促す要素も含んでいます。
今回のイラン初参加はその要素の反映だと思いたいところです。
サウジアラビア王国
General Directorate of Border Guards
サウジアラビア国境警備隊
حرس الحدود (moi.gov.sa)
※↓音量にご注意ください!
サウジアラビア王国はアラビア半島で最大の面積を有する国家であり、東はペルシャ湾、西は紅海に面しています。
そして、
日本との関係では原油の最大輸入先です。
【第213-1-3】原油の輸入先(2022年度)
サウジアラビアで採掘された原油は東部:ラスタヌラ港から積み出され、ペルシャ湾・ホルムズ海峡・インド洋・マラッカ海峡などを通って日本へと運ばれています。
このように、
エネルギー事情において最重要の国ですが、その国のCG機関について日本では全く知られていません。
そこで公式HP(英語版)に紹介されている国境警備隊の歴史を以下にご紹介します。
サウジ国境警備隊の歴史と組織分類
そもそもサウジアラビア王国は西暦1932年(ヒジュラ暦1351年)(昭和7年)初代国王アブドゥルアズィーズ・ビン・アブドゥルラハマーン・ビン・ファイサル・アール・サウードによって建国された国。
その建国からさかのぼること20年前、
西暦1913年(ヒジュラ暦1331年)(大正2年)、
当時アラビア半島の東部を制圧していたアブドゥルアジーズは海岸地帯を警備するための基地と巡視隊の配置を構想しました。
これが現代の国境警備隊につながる起源とされています。
その後、
ヒジュラ暦1344年(西暦1925年頃)(大正14年頃)最初の沿岸警備組織が港町ジェッダで設立、同時にジェッダ港の港湾業務も始まります。
なお、このジェッダ港はアラビア半島西岸にあり、現在でも聖地メッカへの玄関口、国内最大の貨物港として機能しています。
そして、
ヒジュラ暦1347年(西暦1928年頃)(昭和3年頃)ジェッダ港の警備業務・港湾業務は一つの指揮下に統合され、組織名は「沿岸警備隊」と命名されます。
ただし、管轄範囲は紅海沿岸に限られており、巡視活動は徒歩またはラクダへの騎乗、素朴なボートを使って行われていました。
これ以降の歴史は以下のとおり。
ヒジュラ暦1350年(西暦1931年頃)(昭和6年頃)
・「沿岸警備隊・港湾局」 に名称変更。
ヒジュラ暦1351年(西暦1932年)(昭和7年)
・サウジアラビア王国建国。
ヒジュラ暦1353年(西暦1934年頃)(昭和9年頃)
・内務省における沿岸警備局制度が施行される。
ヒジュラ暦1355年(西暦1936年頃)(昭和11年頃)
・東部州にも別個の沿岸警備部隊が設置される。
ヒジュラ暦1382年(西暦1962年頃)(昭和37年頃)
・内務省における「国境武装隊・沿岸港湾警備総局」への再編。東西の沿岸警備隊は統合され、国境武装隊となる。
ヒジュラ暦1394年(西暦1974年)(昭和49年)
・「国境武装隊総局」に名称変更。
ヒジュラ暦1399年(西暦1979年)(昭和54年)
・公安部門に代わり、王国内すべての港湾の監視・保護を担当するようになる。
ヒジュラ暦1414年(西暦1993年)(平成5年)
・現在の「国境警備隊総局」に名称変更。
※ヒジュラ暦は一年が354日。そのため西暦における年と完全には一致しない。よって当サイトでは日付が確認できない出来事は西暦〇〇年頃と表記する。
※公式HPの歴史紹介ページの内、主として英語版を参照している。これはアラビア語版における細かいニュアンスを当サイト管理人が把握できないため。
組織の歴史からわかることは、そもそも沿岸警備の部隊として出発したこと。
通常、”国境警備隊”と言えば陸上国境で活動するイメージが強く、国境警備機関傘下型CG機関の多くは陸上部隊の派生・付随的な位置づけにあるものと思われます。
しかし、少なくともサウジアラビアにおいては沿岸警備隊から内陸を管轄する総合的な国境警備機関として発展しているのです。
これについては今後とりあげるであろう他の国境警備機関傘下型と比較しても、非常にユニークな点ではないかと予想します。
なお、
船艇勢力については前掲『世界の海軍2024-2025』p114に、31隻と紹介されています。
(ちなみに海軍は98隻)
実物は公式YouTubeチャンネルで確認することができ、中~小規模の船艇をとりそろえているようです。
しかし、同国の経済規模やペルシャ湾・紅海の重要性に比べると、あまりにも少ない数だと私は感じます。
サウジアラビア国境警備隊については日本との貿易取引のためだけでなく、世界的な海運安定のためにもさらなる拡充を期待するものです。
CGGS初参加国・未参加国
№ | 参加機関名 | 参加機関 所属組織 | 組織 形態 | Ⅰ 2017 H29 | Ⅱ 2019 R1 | Ⅲ 2023 R5 |
1 | バーレーン 沿岸警備隊 | 内務省 | 独立 | 〇 | 〇 | |
2 | イラン 沿岸警備隊 | 内務省 | 国境 | 〇 | ||
3 | ヨルダン海軍 | 統合参謀本部 国王直属 | 軍事 | 〇 | ||
4 | オマーン王立警察 沿岸警備隊 | 国王直属 | 警察 | 〇 | ||
5 | カタール 沿岸警備隊 | 内務省 | 独立 | 〇 | ||
6 | サウジアラビア 国境警備隊 | 内務省 | 国境 | 〇 | ||
7 | トルコ 沿岸警備隊 | 内務省 | 独立 | 〇 | 〇 | 〇 |
それでは、
あらためて中東諸国からの参加国をふりかえってみましょう。
CGGSⅢにはイラン・ヨルダン・オマーン・カタールが初参加する一方、サウジアラビアが今回は不参加となっています。
サウジアラビアはイランと対立しているので、ロシアとウクライナの関係と同様に出席を見送ったのかもしれません。
(↑これは完全に私の推測です)
次にこれまで一度もCGGSに参加したことのない国は以下のとおり。
№ | 非参加機関名 | 非参加機関 所属組織 | 組織 形態 |
1 | アフガニスタン | ||
2 | アラブ首長国連邦 ナショナルガード司令部 沿岸警備隊グループ | 国防省 | 独立 |
3 | イエメン沿岸警備隊 | 内務省 | 独立 |
4 | イスラエル | ||
5 | イラク | ||
6 | クウェート警察 沿岸警備隊 | 内務省 | 警察 |
7 | シリア | ||
8 | レバノン |
これらの内アラブ首長国連邦(UAE)やクウェートは政情が安定しており、かつCG機関の存在を確認できます。
また、内陸国のように思えるイラクにも南部のバスラ県に港町が点在し、コーストガードの存在が少なくともgoogleマップ上には表示されます。(内容は未調査)
一方、アフガニスタンは完全な内陸国であり、大きな湖や他国に注ぐような河川がないことから、おそらくCG機関は存在しないものと推測します。
イエメン共和国(正統政府)
ところで。
以上のような未参加国の中で注目したいのはイエメン共和国についてです。
イエメンはアラビア半島の南西端に位置し、海賊が跋扈することで有名なアデン湾に面する国。
そして2015年以降、国内は内戦状態に陥っており、首都サヌアは反政府組織フーシ派が実効支配しています。
さらに、それとは別の事件が勃発したのは2023年10月7日のこと。
イスラエル国の領内にあるパレスチナ暫定自治区の内、ガザ地区を実効支配していたイスラム原理主義組織ハマスがイスラエル領内に襲撃し、大量のイスラエル国民を殺害・人質にとりました。
この報復としてイスラエル軍がガザ地区に侵攻、多くの市民に犠牲者を出しています。
続いてハマスとの連帯を表明するフーシ派が紅海を航行中だった自動車運搬船ギャラクシー・リーダー号を乗っ取る事件が発生したのが11月19日。
同船は(株)日本郵船がチャーターしていたこともあり、日本にも大きな衝撃が広がったことは記憶に新しいところです。
さて。
混沌とした状況下にあるイエメンにCG機関は存在しないのでしょうか?
実を言えば、
内戦以前からイエメン沿岸警備隊が存在しており、現在も活動を続けています。
Yemen Coast Guard
イエメン沿岸警備隊
https://www.facebook.com/ycg2017
先ほども述べた通り、
イエメン国内は内戦状態にあり、反政府組織フーシ派とイエメン政府組織とに大きく二分されています。
そしてフーシ派が2014年に首都サヌアを制圧して以降、イエメン政府組織はアデン市を臨時首都としています。
※イエメン政府組織は“大統領指導評議会”(Presidential Leadership Council)という名称で結束していますが、その内部はさらに諸派閥に分裂しています。
さらに、この政府組織の内務省に属し、海上法執行機関として機能しているのがイエメン沿岸警備隊というわけです。
このYCGと日本の海上保安庁には実は浅からぬ縁があります。
というのもイエメン内戦が勃発する以前、
日本の外務省・海上保安庁・(独)国際協力機構などによる海上保安能力向上のための支援が模索されたことがあるからです。
このために現地調査も行われ、その結果は報告書にまとめられています。
①『イエメン国海上保安能力向上等準備調査調査報告書』
平成21年(2009年)5月発行
2009年4月17日~5月9日にかけての現地調査報告書
②『イエメン共和国海上保安能力向上計画(巡視艇建造)準備調査報告書(簡易製本版)』
平成23年(2011年)1月発行
2010年04月12日~05月16日にかけての現地調査、
2010年10月29日~11月08日にかけての現地説明の報告書
この報告書の中で注目すべきは、
35m型巡視艇の供与が予定されていたこと。
35m型巡視艇完成予想図
主要寸法
イエメン共和国海上保安能力向上計画(巡視艇建造)準備調査報告書(簡易製本版)pdf版p10
全長:35.8m 幅:6.9m 深さ:3.2m
喫水:約1.25m 総トン数:約208トン
※諸元についてはpdf版p22より
ただし、その後この巡視艇が実際に供与されたという記録は見当たりません。
おそらく内戦の混乱により供与計画は頓挫してしまったものと思われます。
同時にYCGの組織機能も大きく損なわれたと推測できます。
とは言え完全に瓦解したわけではなく、本部をアデンに移して活動を継続しています。
そして現在は国連の専門機関【国連薬物犯罪事務所】(United Nations Office on Drugs and Crime)を中心に、各国の支援を受けながら組織の再生に取り組んでいる途上。
(このUNODCはCGGSのオブザーバー機関でもあります。)
その様子はUNODCの公式HPでも紹介されており、公式YouTubeチャンネルでも確認することができます。
国際社会がイエメン沿岸警備隊に支援を続けている理由は、やはり紅海における”航行の自由”の原則を確立するため。
実際にフーシ派によるギャラクシー・リーダー号の拿捕を受けて、国連安全保障理事会は次のような非難決議を採択し、その中でYCGへの能力構築支援を加盟国に奨励しています。
国連安全保障理事会決議第2722号
(フーシ派による商船・商用船舶への攻撃について)
2024年1月10日採択5.イエメンの主権と領土保全を全面的に尊重しつつ、決議2216号(2015年)第14項で課された措置を効果的に実施するために、イエメン沿岸警備隊の能力構築努力を支援するよう加盟国に奨励する。
5.Encourages Member States to support capacity building efforts of the Yemeni Coast Guard to effectively implement the measures imposed by paragraph 14 of resolution 2216 (2015), with full respect for the sovereignty and territorial integrity of Yemen;※英語原文を管理人が翻訳した。
国連安保理決議2722(2024)/ (un.org)
この決議案は日本とアメリカによる共同提案であり、当然ながら日本はイエメンへの支援を続けています。
直近の例では2024年6月24日~8月2日まで日本国内で行われた【海上犯罪取締り研修】に、イエメンからも1名の沿岸警備隊職員が参加。
その他、アデン港に対する無償資金協力を行うことで、国家再建そのものを支援する取組も行われています。
最後にイエメン沿岸警備隊自身の取組をご紹介しましょう。
2024年6月6日の公式フェイスブックに、YCGの技術チームが船体を地元で設計・建造した初の小型ボートについて掲載されています。
(※公式HPの方は安全性が担保できないため、そちらへのアクセスは自己責任でお願いします!)
そして、
その運用試験の成功に対して、YCG長官は名誉ある一歩と賞賛し、将来の船舶産業の自給自足の達成に貢献するものとみなしています。
正直なところ、現在の海上保安庁の船艇勢力にくらべれば簡素な印象は否めません。
しかしこの一艘はイエメン国民の手によって海上治安を回復させたいという願いの表われだと私は捉えます。
そして海上保安庁が戦後日本の発展に貢献したのと同様に、YCGもイエメン国家回復に大きな役割を果たすものと期待しています。
おわりに
この中東編を書き始めた当初、ハマスによるイスラエル襲撃が起こりました。
そしてフーシ派による拿捕事件のため紅海周辺は非常に危険な海域となっています。
さらにイスラエルとイランの対立も激化し、中東情勢は混迷の一途をたどるばかり。
一体どんな価値観と価値観が対立しているのか、どの組織と組織が協調しているのか、生半可な知識ではその全貌はとてもつかみきれません。
それでもあえて各国のCG機関に着目することで、中東情勢をほんの少し踏み込んで理解できるようになった気がします。
少なくとも冒頭にあった「なんとなくの中東イメージ」からは脱却できたように思います。
考えてみれば、
一般的に国際ニュースで報じられるのは政府代表の発言であり、軍事機関の行動についてです。
一方、CG機関は基本的に平時の組織であり、漁業や海運業、海洋レジャーなどを通じて国民生活に密接する機関。
そして同時に外交や安全保障といった側面とも無関係ではありません。
このように多層的・複合的な要素をはらむからこそ、CG機関を知ることはその国の多様な面を知ることにつながるのだと感じた次第です。
《つづく》
おことわり
以下に示す参加国一覧表は当サイト管理人が独自に作成したものです。
作成に当たっては、海上保安庁・日本財団の共同発表資料pdf及び
『世界の海上保安機関の現状に関する調査研究報告書』を参考としました。
(以下、『報告書』と呼びます。)
世界の海上保安機関の現状に関する
調査研究報告書岩並秀一・大根潔 共著
書籍等 :: 世界の海上保安機関の現状に関する調査報告書 (xn--p8j1fc3cznsc6g4e.jp)
(公財)海上保安協会 発行
A4版 63頁 カラー画像付
次に、
参加国名等の邦訳については、公表資料に準拠しつつも当サイト管理人が一部修正しています。
(誤:コロモ連合→正:コモロ連合 など)
最後に、
「組織形態」の項目で軍事・国境・治安・警察・独立・調整とあるのは、『報告書』における分類を参考に表記したものです。
ただし、この『報告書』の内容はCGGSⅡ終了後時点でのものであり、CGGSⅢ初参加国については、当サイト管理人が独自に判断し分類しています。
【組織形態の分類】
①軍事機関 傘下型「軍事」
軍事機関 本体または
その傘下の実働勢力を有する機関
②国境警備機関 傘下型「国境」
国境警備機関 本体または
その傘下の実働勢力を有する機関
③治安警察機関 傘下型「治安」
治安警察機関 本体または
その傘下の実働勢力を有する機関
④警察機関 傘下型「警察」
警察機関 本体または
その傘下の実働勢力を有する機関
⑤独立機関型「独立」
上部機関が実働勢力を有しない機関であって、
①~④の機関形態以外の機関
⑥調整機関型「調整」
他のCG機関間の調整を行うことを任務とする機関
CGGS参加国一覧
№ | 地域 | 参加機関名 | 組織 形態 | Ⅰ 2017 H29 | Ⅱ 2019 R1 | Ⅲ 2023 R5 |
1 | 北米 | カナダ沿岸警備隊 | 独立 | 〇 | 〇 | 〇 |
2 | 北米 | アメリカ沿岸警備隊 | 独立 | 〇 | 〇 | 〇 |
3 | 中米 | バハマ国防軍 | 軍事 | 〇 | ||
4 | 中米 | コスタリカ沿岸警備隊 | 独立 | 〇 | 〇 | |
5 | 中米 | エルサルバドル海軍 | 軍事 | 〇 | 〇 | |
6 | 中米 | グアテマラ国防軍 | 軍事 | 〇 | ||
7 | 中米 | ハイチ海運局 | 独立 | 〇 | 〇 | |
8 | 中米 | ジャマイカ国防軍沿岸警備隊 | 軍事 | 〇 | ||
9 | 中米 | メキシコ海軍 | 軍事 | 〇 | 〇 | |
10 | 中米 | セントクリストファー・ ネービス国防軍沿岸警備隊 | 軍事 | 〇 | 〇 | |
11 | 中米 | セントビンセント及び グレナディーン諸島警察 沿岸警備隊 | 警察 | 〇 | 〇 | |
12 | 中米 | トリニダード・トバゴ国防軍 沿岸警備隊 | 軍事 | 〇 | 〇 | |
13 | 南米 | アルゼンチン沿岸警備隊 | 独立 | 〇 | 〇 | |
14 | 南米 | ブラジル海軍 | 軍事 | 〇 | 〇 | |
15 | 南米 | チリ海軍 海上領域商船総局 | 軍事 | 〇 | 〇 | |
16 | 南米 | コロンビア海軍 | 軍事 | 〇 | ||
17 | 南米 | エクアドル海軍 | 軍事 | 〇 | ||
18 | 南米 | ガイアナ国防軍 | 軍事 | 〇 | ||
19 | 南米 | パラグアイ海軍 | 軍事 | 〇 | ||
20 | 南米 | ペルー港務沿岸警備総局 | 軍事 | 〇 | 〇 | |
21 | アジア | バングラデシュ沿岸警備隊 | 独立 | 〇 | 〇 | 〇 |
22 | アジア | 王立ブルネイ警察隊 | 警察 | 〇 | 〇 | |
23 | アジア | カンボジア国家警察 | 警察 | 〇 | 〇 | 〇 |
24 | アジア | 香港警察/海上部 | 警察 | 〇 | 〇 | |
25 | アジア | 中国海警局 | 治安 | 〇 | 〇 | 〇 |
26 | アジア | 中国海事局 | 独立 | 〇 | ||
27 | アジア | インド沿岸警備隊 | 独立 | 〇 | 〇 | 〇 |
28 | アジア | インドネシア海上航空警察 | 警察 | 〇 | ||
29 | アジア | インドネシア運輸省 海運総局警備救難局 (KPLP) | 独立 | 〇 | ||
30 | アジア | インドネシア海上保安機構 (Bakamla) | 独立 調整 | 〇 | 〇 | 〇 |
31 | アジア | 日本海上保安庁 | 独立 | 〇 | 〇 | 〇 |
32 | アジア | 韓国海洋警察庁 | 独立 | 〇 | 〇 | 〇 |
33 | アジア | ラオス公安省 | 独立 | 〇 | ||
34 | アジア | マレーシア海上法令執行庁 | 独立 | 〇 | 〇 | 〇 |
35 | アジア | モルディブ国防軍沿岸警備隊 | 軍事 | 〇 | 〇 | 〇 |
36 | アジア | ミャンマー海事局 | 独立 | 〇 | 〇 | |
37 | アジア | パキスタン海上警備庁 | 独立 | 〇 | 〇 | 〇 |
38 | アジア | フィリピン沿岸警備隊 | 独立 | 〇 | 〇 | |
39 | アジア | シンガポール警察沿岸警備隊 | 警察 | 〇 | 〇 | |
40 | アジア | シンガポール海事港湾管理局 | 独立 | 〇 | ||
41 | アジア | スリランカ沿岸警備隊 | 独立 | 〇 | 〇 | 〇 |
42 | アジア | タイ国家警察/海上警察部 | 警察 | 〇 | ||
43 | アジア | タイ海上法令執行司令センター | 調整 | 〇 | 〇 | |
44 | アジア | タイ海事局 | 独立 | 〇 | ||
45 | アジア | 東ティモール国家警察 :海事警察ユニット | 警察 | 〇 | 〇 | |
46 | アジア | ベトナム沿岸警備隊 | 独立 | 〇 | 〇 | 〇 |
47 | 大洋州 | オーストラリア国境警備隊 /海上国境司令部 | 国境 調整 | 〇 | 〇 | 〇 |
48 | 大洋州 | クック諸島警察 | 警察 | 〇 | 〇 | |
49 | 大洋州 | フィジー共和国海軍 | 軍事 | 〇 | 〇 | 〇 |
50 | 大洋州 | キリバス警察隊 | 警察 | 〇 | 〇 | |
51 | 大洋州 | マーシャル諸島警察局 | 警察 | 〇 | ||
52 | 大洋州 | ミクロネシア国家警察 | 警察 | 〇 | ||
53 | 大洋州 | ナウル警察 | 警察 | 〇 | 〇 | |
54 | 大洋州 | ニュージーランド王立海軍 | 軍事 | 〇 | 〇 | 〇 |
55 | 大洋州 | ニウエ警察 | 警察 | 〇 | ||
56 | 大洋州 | パラオ司法省 海上保安・魚類野生動物保護部 | 独立 | 〇 | 〇 | 〇 |
57 | 大洋州 | パプアニューギニア国防軍 | 軍事 | 〇 | 〇 | |
58 | 大洋州 | サモア警察 | 警察 | 〇 | 〇 | |
59 | 大洋州 | トンガ王国軍 | 軍事 | 〇 | ||
60 | 大洋州 | ツバル警察 | 警察 | 〇 | ||
61 | 大洋州 | バヌアツ警察 | 警察 | 〇 | ||
62 | 中東 | バーレーン沿岸警備隊 | 独立 | 〇 | 〇 | |
63 | 中東 | イラン沿岸警備隊 | 国境 | 〇 | ||
64 | 中東 | ヨルダン海軍 | 軍事 | 〇 | ||
65 | 中東 | オマーン王立警察沿岸警備隊 | 警察 | 〇 | ||
66 | 中東 | カタール沿岸警備隊 | 独立 | 〇 | ||
67 | 中東 | サウジアラビア国境警備隊 | 国境 | 〇 | ||
68 | 中東 | トルコ沿岸警備隊 | 独立 | 〇 | 〇 | 〇 |
69 | 欧州 | アゼルバイジャン国家国境庁 | 国境 | 〇 | 〇 | 〇 |
70 | 欧州 | ベルギー沿岸警備隊 | 調整 | 〇 | 〇 | |
71 | 欧州 | エストニア警察国境警備隊 | 国境 | 〇 | 〇 | |
72 | 欧州 | フランス海洋事務総局 | 調整 | 〇 | 〇 | 〇 |
73 | 欧州 | ジョージア沿岸警備隊 | 国境 | 〇 | 〇 | 〇 |
74 | 欧州 | ドイツ連邦警察 | 警察 | 〇 | ||
75 | 欧州 | ギリシャ沿岸警備隊 | 独立 | 〇 | 〇 | |
76 | 欧州 | アイスランド沿岸警備隊 | 独立 | 〇 | 〇 | |
77 | 欧州 | イタリア沿岸警備隊 | 軍事 | 〇 | 〇 | |
78 | 欧州 | ラトビア国境警備隊 | 国境 | 〇 | ||
79 | 欧州 | リトアニア国境警備隊 | 国境 | 〇 | ||
80 | 欧州 | マルタ国軍 | 軍事 | 〇 | ||
81 | 欧州 | オランダ沿岸警備隊 | 調整 | 〇 | ||
82 | 欧州 | ノルウェー王立海軍 沿岸警備隊 | 軍事 | 〇 | 〇 | |
83 | 欧州 | ポーランド国境警備隊 | 国境 | 〇 | 〇 | |
84 | 欧州 | ポルトガル海事局 | 軍事 | 〇 | 〇 | 〇 |
85 | 欧州 | ルーマニア国境警察 | 国境 | 〇 | 〇 | |
86 | 欧州 | ロシア連邦保安庁 国境警備局 | 国境 | 〇 | 〇 | |
87 | 欧州 | スペイン治安警察海上業務隊 | 治安 | 〇 | 〇 | |
88 | 欧州 | イギリス王立沿岸警備隊 | 独立 | 〇 | 〇 | |
89 | 欧州 | ウクライナ国境警備隊 | 国境 | 〇 | ||
90 | アフリカ | アルジェリア海軍 沿岸警備局 | 軍事 | 〇 | 〇 | |
91 | アフリカ | ベナン海軍 | 軍事 | 〇 | ||
92 | アフリカ | カメルーン海軍 | 軍事 | 〇 | ||
93 | アフリカ | コモロ沿岸警備隊 | 独立 | 〇 | 〇 | |
94 | アフリカ | ジブチ沿岸警備隊 | 独立 | 〇 | 〇 | 〇 |
95 | アフリカ | エジプト海軍 | 軍事 | 〇 | ||
96 | アフリカ | ガーナ海事局 | 独立 | 〇 | 〇 | |
97 | アフリカ | ケニア沿岸警備隊 | 独立 | 〇 | 〇 | |
98 | アフリカ | ケニア海事局 | 独立 | 〇 | ||
99 | アフリカ | マダガスカル海軍 | 軍事 | 〇 | 〇 | |
100 | アフリカ | モーリシャス警察隊 :国家沿岸警備隊 | 警察 | 〇 | ||
101 | アフリカ | ナイジェリア海事安全庁 | 独立 調整 | 〇 | 〇 | 〇 |
102 | アフリカ | セネガル 海上安全・治安・海洋環境保護 調整担当高等庁 | 調整 | 〇 | 〇 | |
103 | アフリカ | セーシェル国防軍 沿岸警備隊 | 軍事 | 〇 | 〇 | |
104 | アフリカ | シエラレオネ海事局 | 独立 | 〇 | 〇 | |
105 | アフリカ | ソマリア沿岸警備隊 | 独立 | 〇 | 〇 | |
106 | アフリカ | 南アフリカ海上安全局 | 独立 | 〇 | 〇 |
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