巡視船みやこ 宮古島へ配属替え

巡視船みやこ
巡視船みやこ

令和4年(2022年)4月15日、
巡視船みやこ【宮古島海上保安部】に配属替えとなりました。

【琉球放送】RBC NEWS 2022/04/28

 

 

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国内最大級の船内披露
巡視船「みやこ」

市長ら招き船上で式典/宮古島海保

15日付で宮古島海上保安部(福本拓也 部長)に配属された国内では最大級の大きさとなる巡視船「みやこ」(菊地元 船長)の披露式と船内見学が26日、座喜味一幸 市長らを招き、停泊中の平良港下崎ふ頭で行われた。「みやこ」は中城海上保安部から配属替えとなったもので、同保安部所属としては初の大型巡視船でこれで12隻目の巡視船となる。

巡視船「みやこ(PL-201)」は最新鋭の巡視船で、船が大きいことから多少しけている中でも活動ができる。総トン数3500㌧で、長さは約120㍍、幅は約14㍍。後部訓練甲板にヘリコプター発着甲板、最新鋭の監視機器や40㍉機関砲なども搭載している。乗組員数は42人。

海上保安体制強化のため建造された巡視船で、当初計画では最初から宮古島海上保安部へ配備される予定だった。しかし120㍍の船体を下崎ふ頭に接岸、係留できるようにするための岸壁整備が整っていなかったため、いったん中城へ配属され、このほど岸壁整備が完了したことを受け宮古島へ配属替えされることとなった。

菊地船長は「宮古島を基地として活動できることをうれしく思う。尖閣諸島周辺海域の警戒が重要任務の一つだが、宮古島周辺海域の警備業務、救難業務にも取り組み、地域住民の安全・安心に貢献したい」とあいさつした。

宮古毎日新聞 2022年4月27日(水)8:59

沖縄本島から宮古島へ

2020年(令和2年)2月20日に就役した【みやこ】は、沖縄本島にある中城(なかぐすく)海上保安部に配備されていました。

『宮古毎日新聞』の記事にもあるとおり、宮古島平良港(ひららこう)側での沿岸整備の完了を受けて、今回の配属替えとなりました。

従来から、平良港では大型クルーズ船が停泊できるよう下崎埠頭地区の整備を進めていました。【みやこ】の係留桟橋もこの一画にあります。

巡視船 全長 比較
PLH33 れいめい  150m
PLH42 しゅんこう 140m
PLH41 みずほ 134m
PLH21 ふそう 130m
PL 201 みやこ 120m
PL 21 こじま 115m
PL 22 みうら 115m
PL 31 いず  110m
PLH10 だいせん 105m

↑このように、
【みやこ】はPL型の中で最大であり、ヘリ搭載型(PLH)にも劣らぬ巨体です。なるほど、受け入れ側の港を整備する必要があったことが理解できますね。

内閣府:沖縄総合事務局:平良港湾事務所HPより『平成29年頃 下崎ふ頭クルーズ船』

みやこ 配属替えの意味

【みやこ】が宮古島に配属された意味。
それは鹿児島から石垣までの列島に大型巡視船が隙間なくそろったということだと思います。

大型巡視船 南西海域配備図

上海を中心に東シナ海を北へ向けたビュー

まず、
本州最南端の【鹿児島】から、
沖縄本島の【那覇】
石垣島の【石垣】の保安部にPLH型PL型が配備されています。

この内、【れいめい】【あかつき】【しゅんこう】【あさづき】はすべて2020年(令和2年)以降に就役した最新鋭です。

次に、
上記の3保安部の間に置かれた、
奄美大島の【奄美】
沖縄本島の【中城】
宮古島の【宮古島】の保安部にPL型が配備されています。

このように、
南西海域に大型巡視船が集中しているのは、尖閣領海警備を始めとする中国の海洋進出に対応するためと考えられます。上記の図では、まさに弧を描くようにして巡視船が琉球列島に配備されていることがわかります。

逆に中国大陸側からこの海域をながめたとき、琉球列島が太平洋へ抜けるに当たっての障壁のように見えることでしょう。

あらためて、

【みやこ】が宮古島に配備された意味は、
琉球列島における隙間なき配備が完成した、
ということではないでしょうか。

ただし、
日本の最西端である与那国島には海上保安部・海上保安署は置かれていません。

補足として、
【さつま】【くだか】救難強化巡視船に指定されています。しかし海難が発生していないときは警備業務にも当たるものと思われます。

(以上はすべて2022年6月2日時点での内容です)

みやこ もう一つの使命

ここまで【みやこ】の配属替えの意味を、主に領海警備業務に注目して考えてきました。

しかし、
忘れてはならないのは地元周辺海域の警備業務、救難業務についてです。このことは『宮古毎日新聞』の記事の中で菊地元 船長も述べておられます。

そもそも、
宮古島に大型巡視船が配備できるようになったのは、宮古島市・平良港が国際クルーズ拠点として選定され、港湾の整備が進んだ結果です。逆に国際クルーズ拠点整備のために大型巡視船の配備が必要になったとも言えるでしょう。

現時点では新型コロナウィルス感染拡大の影響で大型クルーズ船の寄港は減少しています。しかし、いずれ国際・国内観光における人流が復活した際には、平良港周辺に大小様々の船舶が行きかうことになると思います。

そうなると船舶の衝突事故や遭難事故の発生増加が懸念されるところです。さらに、このことは他にも鹿児島港・那覇港・石垣港でも同様に考えられます。

こうした観点からも地元関係者が【みやこ】に寄せる「安全・安心」への期待は大きいものと想像できますね。

2022.6.19追記
2022.5.12発行『海上保安レポート2022』p49に菊地元 船長の寄稿を発見しました。巡視船【くだか】船長当時に書かれたもののようです。

これによると菊地氏は一般大学を中退後、海上保安庁に入庁→海上保安学校を卒業したそうです。おそらく、その後に海上保安大学校特修科を経て幹部海上保安官になったものと推測されます。

おわりに

今回は【みやこ】配属替えの意味を考えるうちに、大型クルーズ観光拠点港湾における海上保安庁の業務について思いが至りました。

私は過去に大型クルーズ船【ダイヤモンド・プリンセス】の姉妹船で旅行したことがあります。そのときの思い出は非常に楽しく、これからは日本でも大型クルーズ観光が発展するだろうなとワクワクしていました。

それだけに、
【ダイヤモンド・プリンセス】における新型コロナウィルスの感染拡大や、その後の海外大型クルーズ船の寄港中止などは本当に残念でした。

世界中の人々が自由で安全に行き来する豊かな海が、早く戻ることを願ってやみません。

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