令和3年（2021年）11月26日、
巡視船あさづき（PLH35）が沖縄県石垣市南ぬ浜町の新港地区に入港しました。
警備の最前線となっている石垣島に配備されたのは、巡視船「あさづき」で、２６日午前１１時すぎ、石垣港の一角に着岸しました。
NHK NEWS WEB 沖縄NEWS WEB 2021年11月26日 16時42分
詳しい性能は明らかにされていませんが、長時間の航海や冬場にしける尖閣諸島周辺の海域でも安定した航行が可能とされていて海上保安庁には、より安定した警備態勢を整える狙いがあるとみられます。
「あさづき」の田代英己船長は、「わが国の領土領海を断固として守り抜くため、冷静かつ毅然に対応していく。軽石については公開されている予測情報などを見ながら注意していきたい」と話していました。
午前11時ごろ、乗組員64人を乗せて石垣港に着港。乗組員は港で出迎える保安官と互いに敬礼を交わした。一條正浩同区本部長は「大きくて立派な船舶だ。中国船にも十分対応できると確信している。その能力を磨いて活躍してくれることを期待する」と述べた。
八重山日報 2021/11/27(土) 8:58配信
増田克樹石垣保安部長は「尖閣諸島の警備は国内外で注目されるミッションだ。住民の信頼を得て市長の期待に応えるためにも、巡視船を有効に活用したい」と話した。
同日午後は入港式が開かれ、入港報告や本部長訓示が行われた。
引き渡し式のその後
以前の記事で【あさづき】の引き渡し式についてご紹介しました。
それが11月12日（金）のことで、2週間後の11月26日（金）にいよいよ石垣港への入港となりました。
引き渡し式には【海上保安庁 友の会】七管支部の会員が招待されていたようで、その様子が第７管区海上保安本部HP内に掲載されています。
会員限定！「巡視船あさづき」引渡式見学会フォト
【友の会】についてはいずれ取り上げたいと思っていますが、要は海上保安庁公認のファンクラブです。会の活動は地域によって様々。
それにしても七管支部のみなさんは造船所見学の機会に恵まれていてうらやましいな～。
(;・∀・)
入港式について
ニュース記事によれば入港日当日に入港式が行われたようです。
同型船の【れいめい】【あかつき】のときは、その入港・就役の情報が海上保安庁HPでプレスリリースされていました。今回の【あさづき】については、私が見たかぎりでは本庁や11管区、石垣保安部HPでの告知はありませんでした。
おそらく関係者・マスコミ限りで告知されたのだと思います。式典は一般市民には非公開なので、もちろん参加はできないのですが、ちょっとさみしいですね。
ところで入港のニュース映像を観ていて気付いたことが一つ。
職員のみなさんが、
夏用の制服（薄クリーム色）を着用しています！
（正しくは【第二種制服】と言います。）
11月12日に山口県下関市を出港したときは冬用の制服（紺色）を着用していました。
（正しくは【第一種制服】と言います。）
夏用・冬用の着用期間は管区によって異なっています。当然、北海道の第1管区では冬用の着用期間が長く、沖縄の第11管区では夏用の方が長くなります。
つまり第11管区ではまだ夏用制服の着用期間中だと考えられます。
…ということは、
【あさづき】乗組員のみなさんは夏冬両方の制服を持って引き渡し式に向かったんですかね？
(￣▽￣)？
本州ではもうすぐ冬本番の季節ですが、沖縄地方の暑さを感じさせられますね。
あさづき 就役の意味
【れいめい】【あかつき】【あさづき】はヘリコプター１機搭載型巡視船です。
同型船の【しきしま】【あきつしま】と同じく、２機搭載することも可能なはずですが今のところ１機のみを搭載しています。
いずれにせよ石垣海上保安部にとっては唯一のヘリ搭載型巡視船の配備となり、長距離・安定航行が可能な勢力として期待されます。
03管：横浜：あきつしま
10管：鹿児島：しきしま・れいめい・あかつき
11管：石垣：あさづきnew!
全長150ｍの大型巡視船５隻のうち、４隻が日本の南西海域への配備となっているのが現状です。この内、【しきしま】は近々修理に入る見込みなので、当面は３隻で南西海域をカバーすることになりそうです。
話は少しそれますが、海上自衛隊や他国の海軍では通常３隻の同型船でローテーションを組むそうです。
つまり【訓練】→【任務】→【修理】の繰り返し。
これにより、スキのない艦船の運用を実現しているのだとか。
ということは海上保安庁も同様に３隻をローテーション運用するつもりなのではないでしょうか。
元々、【しきしま】【あきつしま】は所属保安部の専従というよりは、管区をまたがって運用されてきました。したがって【れいめい】型も鹿児島と石垣を行ったり来たりするのだと思われます。
また、３隻ローテーション体制を想定しているからこそ、あえてヘリは各１機のみとしたのでは？
つまり、
【あさづき】の就役は１隻だけのニュースではなく、海上保安庁最大級の巡視船が同海域に常時展開する体制が構築された！ということだと思います。
もちろん他の船艇も増強されています。もしかしたら、そうした下支えを受けて３隻が一ヶ所に出動する可能性もあるでしょう。
（そんな場面があってほしくはないですが…）
まとめ
改めて新たな時代を象徴する命名を受けた３隻の完成を祝福したいと思います。
同時に、３隻がたどる航路には波乱も予想されており、乗組員のみなさんの無事と安全を祈るばかりです。当サイトではこれからも【れいめい】型巡視船の動向に注目していきたいと思ってます。
I wish you a pleasant voyage!
3隻のご安航を祈ります！
(｀･ω･´)
