令和6年(2024年)1月8日、
巡視船ゆみはりの一般公開が行われました。
鹿児島海保が年頭訓練を公開
新たな巡視船「ゆみはり」お披露目も
2024.01.08 18:37「ゆみはり」は全長140メートル、総トン数6000トンと海上保安庁で最大級の巡視船です。
去年11月に配備され、8日、初めてお披露目されました。
(略)(鹿児島海上保安部 濵平 清志 部長)
「日々の業務を的確に遂行するためには地域の皆様の理解が必要。
こういった機会を利用して我々の業務の一端をご紹介できれば」↓引用元に動画掲載あり
鹿児島海保が年頭訓練を公開 新たな巡視船「ゆみはり」お披露目も (kyt-tv.com)
ゆみはりの就役と一般公開
【しゅんこう型】巡視船の3番船【PLH44ゆみはり】が2023年11月30日に海上保安庁に引き渡され、【鹿児島海上保安部】に配属されました。
船名【ゆみはり】は
秋の季語:弓張月に由来。
晩秋の就役に合わせた古式ゆかしい命名です。
その就役から約1か月後、
2024年1月8日「成人の日」に初の一般公開が行われました。
今回、この【ゆみはり】お披露目に参加することができたので、ご紹介いたします。
まず当日の天気は快晴!
雲一つない青空に恵まれ、絶好のお披露目びよりです。
開催場所は鹿児島本港の一角で、桜島へ渡るフェリー乗り場の対岸でした。
桜島火山はこの日も元気に噴煙を上げており、まさに鹿児島へ来たなぁという印象を受けました。
ピカピカのゆみはり
【ゆみはり】の第一印象はとにかくキレイ!
船のどこを見てもピッカピカでした。
たとえば航海のつど赤錆で汚れやすい錨の周辺もまだこんな感じ↓
その他、白や青のペンキに太陽の光が反射して、全身が輝いているかのようでした。
また波の光もゆらめき、一層美しさを際立たせていたように思います。
前甲板~船橋
それでは船上を見てみましょう。
前甲板前方には40ミリ機関砲、その後方には20ミリ機関砲がありました。
言うまでもなくピカピカです。
細かい所では船の銘板と係留ロープ。
銘板には三菱造船の社名と総トン数が書かれています。
この【ゆみはり】は総トン数6000トン型と公称されていますが、実際の総トン数は6742tのようです。
ちなみにこれは重量ではなく容積の単位で、船の大きさを表す指標です。
↓総トン数についてはこちら
それではいよいよ内部の船橋(操舵室)へ!
…と行きたいところですが、
船橋は写真撮影不可でした。
ただ、
室内も当然キレイで、内装パネル類はいかにも最新型!で充実していましたよ。
印象深かったのはその開放感。
すごく広々としていて、人の通行に支障がないようスペースが確保されていました。
以前、
巡視船【さがみ】内部も見たことがあるのですが、操舵ハンドル位置の背後すぐそばまで機材の壁が迫ってきていたものです。
それに比べて背後の空間に余裕があり、さらに後方にはOIC(オペレーション・インフォメーション・センター)が広がっていました。
そこはいわゆる作戦会議室で、30人くらいは入れそうなスペースがありました。
ちなみに【ゆみはり】の予定乗員数は60名で、女性の数は現在3名だそうです。
船内各部
では船橋(操舵室)を下って船内の各部を見ていきましょう。
ここでも同じことを書きますが、
台所の流し台もピカピカ。
ヘリ格納庫の資機材もピカピカ。
ついでに言うと甲板の階段手すりもスベスベしてました(笑)
まったくツルツルしているのではなく、シャリシャリする気持ちいい感触のアレです。
わかりますかね…?
なお、トイレはウォッシュレットで、たぶんお尻も温かいタイプ。
これなら
北方の海域に派遣されても安心ですね!
最後にヘリコプター2機を整備できる格納庫。
広々とした空間となっており、こちらに搭載ヘリコプターを収容可能。
船央~後甲板~訓練展示
※人物の顔にはぼかしを入れてあります。
後甲板には搭載ヘリ【ゆみわし】が展示してあり、多くの方々が珍しそうに見物していました。
さらに、
同じ鹿児島海上保安部に所属する【こしき】の特別警備隊、そして【さつま】の潜水班らによる訓練展示も。
※人物の顔にはぼかしを入れてあります。
この一般公開には報道機関のカメラも駆けつけ、この迫力ある展示はテレビでも放映されたようです。
感想など
一般公開の印象としては、見学客として小学生~中学生くらいの子供たちを多く見かけたこと。
と言うのも、
前述の【さがみ】では、小学生以下や中高年くらいの年代層が中心だったように思うからです。
これは開催地域の違いによるものなのでしょうか?
それはさておき、
この日は約700人の乗船があったとのこと。
通常、
巡視船の就役式は地元の来賓や関係者のみで行うことが多く、参加できる機会はほとんどありません。
しかし今回はかなり早い時期にお披露目があり、【ゆみはり】は多くの市民から「キレイだね!カッコいいね!」との賞賛を受けていました。
ふりかえってみると約4時間の公開でしたが、地元の方々の理解が深まる素晴らしい時間であったように思います。
それでは最後に私からも【ゆみはり】に次の言葉を贈りたいと思います。
友よ、
良き風と追い波に恵まれますように
これは海外のコーストガード機関を調査する中で知ったフレーズ。
アメリカ海軍では別れのあいさつなどでよく使われるそうです。
私はこれを【ゆみはり】と各位の前途を祝する言葉として、改めて捧げたいと思います。
”Fair winds and following seas,
YUMIHARI !”
次回予告
さて、
この【ゆみはり】が配備された鹿児島港。
ここには同型の
【しゅんこう】【あさなぎ】もいます。
さらには巡視船:最大クラスの【れいめい型】も。
これらの船は普段は一体どこに停泊しているのでしょうか?
次回はこの点をご紹介したいと思います。
お楽しみに!
【参考動画】
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