海の安全守る巡視船“かんばい”引渡式
尖閣諸島の海上警備や海上犯罪の取り締まりに従事 山口・下関
2026年3月3日(火) 17:413日、尖閣諸島の領海を警備する海上保安庁の巡視船が完成し、山口県下関市で引渡式がありました。引き渡されたのは、海上保安庁の大型巡視船「かんばい」です。
三菱造船江浦工場で造船され、全長140メートル、幅16.5メートル、総トン数は6000トン、乗組員およそ50人と海上保安庁最大級です。ヘリコプターを2機搭載でき、遠隔放水銃や40ミリと20ミリ機関砲などを装備しています。
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巡視船かんばいの船名由来
2026年3月3日、
【しゅんこう型】4番船【PLH45かんばい】がついに完成。
鹿児島海上保安部に配属され、新たな船艇勢力が海上保安庁に加わることになりました。
かんばいは漢字で書くと【寒梅】。
冬の季語です。
意味するところは冬の寒さに耐えて咲く梅の花であり、さらには鹿児島の偉人西郷隆盛が遺した漢詩を由来としています。
※西郷隆盛が甥の市来政直の米国留学に際して贈った自作の漢詩
『外甥 政直に示す』
一貫す 唯唯の諾
従来 鉄石の肝
貧居 傑士を生じ
勲業 多難に顕る
雪に耐えて 梅花麗しく
霜を経て 楓葉丹し
如し能く 天意を識らば
豈敢えて 自ら安きを謀らんや
【大意】
一度、「はい」と言って承諾したからには、最後まで貫き通すべきであり、それには元から鉄や石のようなかたい意志が必要となる。
貧しい生活が傑出した人物を生み、
目覚ましい功績は多くの苦難の中に現れる。
梅の花は雪に耐えて美しく咲き、
楓の葉は霜を受けて赤く色づく。
もし(君が)この道理を知っているならば、どうして安楽な生活にふけっていられるだろうか。
…以上のような意味を踏まえて海上保安庁は、
「冬の中雪に耐えて初春に花を咲かす梅のように、苦難や試練にじっと耐え、乗り越えていく」
…という意味を”かんばい”に託したようです。
船名でふりかえる建造計画
それでは改めてしゅんこう型建造の流れを船名とともにふりかえってみましょう。
まず1番船【PLH42しゅんこう】は同じく2020年2月に就役した【PLH33れいめい】と合わせてデビュー。


右:しゅんこう
(第10管区海上保安本部HP)
【しゅんこう】の船名は季節を表す名称で、四季の第一である春の季語の中から、春の光を意味する「春光」に由来しています。
(出典:海上保安レポート2020)
そして、
続く2番船以降の船名も春夏秋冬の季語から。
| 番号 | 船名 (由来) | 全長 | 進水日 | 引渡日 | 期間 |
|---|---|---|---|---|---|
| PLH41 | みずほ (瑞穂) | 134m | 2018. 11.09 | 2019. 08.22 | 9ヶ月 |
| PLH42 | しゅんこう (春光) | 140m | 2019. 03.20 | 2020. 02.04 | 11ヶ月 |
| PLH43 | あさなぎ (朝凪) | 140m | 2022. 06.30 | 2023. 07.06 | 12ヶ月 |
| PLH44 | ゆみはり (弓張月) | 140m | 2023. 02.21 | 2023. 11.30 | 8ヶ月 |
| PLH45 | かんばい (寒梅) | 140m | 2024. 12.03 | 2026. 03.03 | 15ヶ月 |
みずほと番号が連続しているが船型は異なる
注目すべきは船名由来と進水または引渡時期の季節が一致していること。
例えば、
2番船あさなぎは夏の季語から
夏の朝の無風で穏やかな状態を表す朝凪。
(出典:海上保安庁公式ツイッター)
3番船ゆみはりは秋の季語から
弦を張った弓のように見える月にちなんだ弓張月。
(出典:MBC南日本放送)


右:ゆみはり
(第10管区海上保安本部HP)
そして4番船かんばいも冬の季語から採られていることは冒頭で説明したとおり。
こうした一致は建造計画がおおむね予定通りに進んだ結果と言えるでしょう。
例えばこれが40度を超える夏の猛暑日に【寒梅】が命名・就役されていたら…?
それでも船の運用上に問題はありませんが、やはり夏には夏の名前、冬には冬の名前がふさわしく感じることでしょう。
さらに言えば、
しゅんこう型4隻はすべて三菱重工・下関造船所で建造されたもの。
これまで2020年1月から始まった新型コロナウィルス蔓延や2022年2月以降のウクライナ戦争などの様々な出来事がありました。
それらの混乱を乗り越え、無事に”春夏秋冬”を完成させた造船関係各位の努力に敬意を表するものです。
令和7年度 大型巡視船の配備推移
次にかんばいが就役する直近の時系列をふりかえってみます。
11月~12月 新旧そうやの交代



右:新そうや(第1管区海上保安本部X)
まず、直近の大きな出来事としては釧路海上保安部における【PLH01そうや】の交代劇。
2025年(令和7年)11月4日に【旧そうや】は釧路を離れ、解撤作業が行われる北九州市に向けて最期の航海に出発しました。
そして11月12日に解体工場にて解役式が行われています。
一方、
横浜市のJMU横浜事業所・磯子工場での【新そうや】の就役式は12月19日。
数日間の慣熟訓練を経て釧路に初入港したのは、年の暮れも押し迫った12月28日のことでした。
1月 せっつ・しきしまの交代ほか



右:せっつ(第11管区海上保安本部HP)
年が明けて2026年(令和8年)1月20日。
沖縄県沖縄市の中城海上保安部から【PL62いしがき】が大阪海上保安監部へ配属替え。
この際に船名も【なにわ】に変更しています。
大阪海上保安監部にとってなにわは初めて配備されるPL型巡視船となります。
加えて同日付で神戸海上保安部の【PLH07せっつ】も那覇海上保安部へ配属替え。
その穴を埋めるように、
鹿児島海上保安部【PLH31しきしま】(2代目しきしま)が1月29日が神戸に配属替えとなりました。
第5管区にとっては海上保安庁の最新鋭・最大型巡視船が配備される画期的な出来事です。
2月~3月 だいとう・かんばいの就役



右:かんばい(管理人撮影)
第5管区の勢力増強の一方で、中城・鹿児島にはそれぞれまた新たな船艇勢力が加わりました。
2月19日、
岡山県の三菱重工マリタイムシステムズ(株)玉野本社工場で建造された【PL206だいとう】が中城海上保安部に配備。
そして3月3日、
山口県の三菱重工(株)下関造船所江浦工場において【PLH45かんばい】が竣工、鹿児島海上保安部に配備されることになりました。
以上が令和7年度後半にあった動きです。
特徴①非国際航海船
ここからはしゅんこう型の特徴をれいめい型と比較しながら3つご説明していきます。


右:しゅんこう 救命艇なし
(第10管区海上保安本部HP)
両船の外観においてわかりやすいのはオレンジ色の全天候型救命艇の有無。
例えば↓この写真は【PL23いつくしま】(総トン数5500トン)に備わっているもの。


大型巡視船のチャームポイント的なこのオレンジの有る無しが何を意味するかと言えば…。
ずばり【国際航海】に備えた船かどうかを表しています。
そもそも、
国際航海とは「一国と他の国との間の航海」のこと。
(船舶安全法施行令第1条第1項)
すなわち2か国または3ヵ国以上の港を往来する航行を国際航海と呼びます。
そして船舶安全法及び『船舶救命設備規則』第62条の規定により、国際航海に従事する総トン数500トン以上の船舶であって、旅客船や漁船等以外の船舶には救命艇を備えなければなりません。
※注意!巡視船に対する細かな安全基準は『2008年版特殊目的船コード』に定められていますがここでは割愛します。
ごく大雑把にまとめると、
総トン数500トン以上の巡視船であって国際航海に従事するものについては、この救命艇を備えていなければならないのです。
そして逆に言えば、
総トン数500トン以上ではあるが国際航海に従事しない巡視船は救命艇を備える必要がない…ということになります。
(船舶救命設備規則上の用語では”全閉囲型救命艇”と言う)
| 船番号 船名 | 全長 | 総トン数 | 救命艇 | 国際航海 最近の事例 |
|---|---|---|---|---|
| PLH32あきつしま | 150m | 6500トン | あり | 2026年ベトナム |
| PLH33~れいめい型 | 150m | 6500トン | あり | 実績はまだないが 法令上可能 |
| PLH42~しゅんこう型 | 140m | 6000トン | なし | 法令上不可 |
| PLH41みずほ | 134m | 6000トン | あり | 2025年マレーシア |
| PL23いつくしま | 134m | 5500トン | あり | 2025年米豪印ほか |
| PLH22やしま | 130m | 5259トン | あり | 2024年インド |
| PL201~みやこ型 | 120m | 3500トン | なし | 法令上不可 |
| PL31いず | 110m | 3500トン | あり | 実績なし? |
| PLH01新そうや | 92.4m | 4200トン | あり | 実績はまだないが 法令上可能 |
| PLH02~つがる型 | 105m | 3221トン | あり | 2025年せっつ インドネシア |
以上のような違いから、
しゅんこう型は国内に限っての運用を想定されていることが推測できます。
特徴②機関砲の数
その他、
外観からわかるものとしては機関砲の搭載数が異なっています。

元画像:第十管区海上保安本部HP

元画像:第十管区海上保安本部HP
れいめい型には40mm単装機銃が前後に2基、しゅんこう型は前部に1基のみ装備されています。
また、多くの巡視船にも搭載されている20mm多銃身機銃はれいめい型前部に2基、しゅんこう型前部に1基という違いになっています。
通常、これらの巡視船兵装の詳細が公開されることはほとんどなく、ましてや射撃の様子が一般の目に触れることはありません。
しかし最近、海保公式による写真がXにて公開されたので参考資料として引用しておきます。
第十管区海上保安本部公式X
2026年2月25日午後5:00巡視船しゅんこうは日中及び夜間に砲を使用した洋上射撃訓練を実施しました。昼夜の別なく重大犯罪に対応できる能力を維持・向上させるべく、今後も引き続き尽力して参ります。
管理人注①前部40mm単装機銃 管理人注②前部20mm多銃身機銃(夜間)
通常弾と合わせて曳光弾が含まれているため軌跡が光っているhttps://x.com/JCG_10th_RCGH/status/2026567845816246472?s=20管理人注③後部20mm多銃身機銃
なお、
これらの武器は海上治安を維持するためのもの。
その行使目的も「船舶の進行を停止させるため」であって、被疑船舶の乗員に対する殺傷や被疑船舶の撃沈のためなどではありません。
文末に該当条文を掲載しておきましたので、参照をお願いいたします。
特徴③他船給油装置
海上保安庁巡視船の中で現在2番目の大きさを誇るしゅんこう型。
船体が大きいということは、それだけ多くの物資・燃料を積載できることになります。
それを活かしてしゅんこう型は他船への燃料補給機能が備わっています。
第十管区海上保安本部公式X
2026年1月7日午後5:00巡視船しゅんこうは、種子島海上保安署 巡視船たかちほに対し、他船給油装置を使用した給油訓練を実施しました。同装置は、被災地等において長期の活動を行う巡視船等への燃料補給を可能とする装置です。今後も災害対応に備え、様々な訓練を行って参ります。
管理人注①しゅんこう左舷側からの給油 管理人注②PS17たかちほ側の様子
画面奥の係留ポストは使用していないhttps://x.com/JCG_10th_RCGH/status/2008810845774770564?s=20管理人注③画像を90度傾けたもの
赤い給油口に燃料注入
公式写真を見る限り、
航走しながらの給油ではなく、沖合で航行を停止した状態での給油作業を行っているようです。
説明文によれば大規模災害時を想定した訓練のようですが、長期間にわたる尖閣領海警備においても有効な作業ではないかと推測されます。
ちなみに。
しゅんこう型の船体外壁には【係留ポスト】と呼ばれる、ロープをつないでおくためのフック部分があります。



これはフック部分にロープをかけて小型船艇を横付けさせ、燃料や物資の補給活動を行うこととしているもの。
今回の給油訓練では係留ポストは使用されなかったようですが、しゅんこう型が持つ洋上拠点機能の一端を窺わせるパーツです。
運用実績①救難機能
1番船しゅんこうが2020年(令和2年)2月に就役してから既に6年を経過。
その間にしゅんこう・あさなぎ・ゆみはりがどのように運用されてきたかをふりかえりつつ、同型の立ち位置を考えてみます。
まず、
しゅんこうが就役したその年の7月3日から九州地方を中心に令和2年7月豪雨が発生。
特に被害の大きかった熊本県にしゅんこうも派遣され、八代港にて給水・携帯電話充電活動が行われました。
海上保安庁公式X
2020年7月7日午前9:00【令和2年7月豪雨災害支援情報】
第10管区海上保安本部は、熊本県八代市において巡視船による給水、携帯電話充電の支援を行います。
日時:7/7(火)午後3時~午後5時まで
場所:熊本県八代港(八代市新港1丁目)着岸中の巡視船「しゅんこう」https://x.com/JCG_koho/status/1280290522213433344?s=20
この時の球磨川氾濫による水害が比較的内陸で発生したためか、結果としてこの給水等支援活動は7月10日までの短期間で終了しています。
その一方で、
しゅんこう搭載ヘリコプターだった【MH693なべづる1号】が老人ホーム千寿園から被災者を救助したことは特筆すべき功績と言えるでしょう。
※機体上部の「JA693A」は航空法に基づく登録番号、尾翼の「MH693」は海保独自の型番を表す。
しゅんこう型はヘリ2機を搭載格納できる巡視船であり、そうした航空勢力の母船としての機能が救難の場面で発揮された事例です。
なお、2024年10月1日から【鹿児島航空基地 七ツ島運航支援センター】が開設され、なべづるを含めたしゅんこう型搭載ヘリはこちらに所属して運用されています。
運用実績②国際連携
2025年6月20日、
鹿児島県の錦江湾(鹿児島湾)を舞台に、日本・アメリカ・フィリピンの三ヵ国による合同訓練が行われました。
日本からこの訓練に参加したのはPLH43あさなぎ。
洋上にてフィリピン巡視船【テレサ・マグバヌア】と米国巡視船【ストラトン】とともに、船舶火災・海中転落者救出訓練を行っています。
そしてこの合同訓練の一環として職員がお互いの船内を見学するなど、海上保安庁の国際交流にも大きく貢献しました。
この一連の出来事は国内外に報道されたため、JCG Vessel “ASA-NAGI” の名を国際的に有名にしたと思われます。
10管の巡視船「あさなぎ」、
ヘリ「あおわし」をアメリカ・フィリピンの沿岸警備隊が見学…合同訓練を前に
2025/06/19 11:52日米比3か国の海上保安機関による合同訓練が20日に行われるのを前に、17日、米比の沿岸警備隊約70人が、鹿児島市の七ツ島巡視船基地で第10管区海上保安本部の巡視船「あさなぎ」(6000総トン、全長140メートル)などを見学した。
10管の巡視船「あさなぎ」、ヘリ「あおわし」をアメリカ・フィリピンの沿岸警備隊が見学…合同訓練を前に:地域ニュース : 読売新聞
警備隊員らは、10管職員からあさなぎ船内の案内を受け、格納庫のヘリコプター「あおわし」も見学した。
しゅんこう型の運用実績③市民広報
しゅんこう型の運用に関する最大の特徴は船内を一般公開できること。
そもそも巡視船は軍艦・自衛艦などではなく、船内機器類も基本的には民生品を使用しています。
したがって特に機密事項に関わる部分でなければ、船橋(操舵室)を始めとして広く見学できることはよく知られています。
例えば、
2023年11月末に就役したPLH44ゆみはりが、翌年1月には早くも一般公開されたことは過去の記事でもお伝えしたとおり。
これ以外にも2023年と2025年のJCGクルーズにおいて、あさなぎが一般市民を乗せて体験航海・訓練展示を行っています。


この2回ともPLH43あさなぎが観閲船(一般市民を乗せる船)だったのは偶然なのか、それとも意図的なものかは定かではありません。
前述したとおりしゅんこう型はれいめい型に比べて、国際航海ができない・兵装の数が少ないなどの違いがあります。
もしかしたら“れいめい型の簡易版”という印象があるやもしれませんが、逆に言えばれいめい型は一般市民を乗せる運用になっていません。
(少なくとも一般市民に船内が公開された実績は無い)
しかしながら市民からの理解と支援は、尖閣領海警備を含めた海上保安庁の業務に欠かすことができない要素。
その意味で、
しゅんこう型はオープンな運用体制でもって、私たち一般市民と海上保安庁を結びつける大切な役割を果たしていると言えるでしょう。
第十管区海上保安本部公式X
2025年11月11日午後6:20第十管区海上保安本部では11月8日にJCGクルーズを実施しました。御応募いただいた中から約1200名の方々に巡視船あさなぎに乗船いただき、鹿児島湾内をクルージング!日ごろ披露の機会がない各種訓練もご覧いただきました。
https://x.com/JCG_10th_RCGH/status/1988174862032986443?s=20
かんばいの完成が意味するもの
以上、
海上保安庁№2巡視船しゅんこう型の特徴と運用を眺めてきました。
今回誕生したかんばいもまた先行船たちと同様の活躍を見せてくれることでしょう。
そしてかんばいの完成はただ春夏秋冬がそろったことだけを意味するのではない、と私は考えています。
平成28年度(2016年度)から始まった海上保安体制・能力強化の流れが一つの到達点に達したことを意味しているのではないでしょうか。
仮に令和7年度(2025年度)を第一期とするならば、この間にれいめい型・しゅんこう型・みやこ型の新船型が続々と誕生しています。
※PL91つるがシリーズはくにがみ型(くにさき型)という従来からあった船型に属している
そして、
かんばい完成と入れ替わるように、海保史上最大型となる多目的巡視船の建造開始。
加えてみやこ型7番船【ひろしま】以降の建造も続いています。
一方で上掲の表には載っていませんが、しきしま・みずほ・そうやといった新旧の巡視船代替も並行して進んでいるところ。
今後はPLH02つがる以降のつがる型の代替も行われるものと推測されます。
そう考えると、
次の第二期の到達点は多目的巡視船が就役する令和11年度(2029年度)頃になるのではと私はにらんでいます。
2026年3月現在から数えればあと5年後。
果たしてその頃の日本や世界がどうなっているのか、色々と思いは巡ります。
年々激甚化する自然災害に、
脅威を増す中国の海洋進出。
武力による威嚇とその行使が外交政策の主軸となってしまったかのような、国際秩序の揺らぎ。
たった数ヶ月先のことすら予想できないほど世界情勢は混沌としています。
そんな多難の時代に巡視船かんばいが生まれ、【じっと耐え、乗り越えていく】との期待が込められたことはある意味で必然と言えるのかもしれません。
巡視船かんばいの完成を祝しつつ、新たな季節への一巡りに幸多きことを願います。

《終》
参考:武器使用に関する庁法
海上保安庁法(昭和23年法律第28号)
海上保安庁法 | e-Gov 法令検索
令和7年6月1日 一部改正施行
第4条
①海上保安庁の船舶及び航空機は、航路標識を維持し、水路測量及び海象観測を行い、海上における治安を維持し、遭難船員に援助を与え、又は海難に際し人命及び財産を保護するのに適当な構造、設備及び性能を有する船舶及び航空機でなければならない。
第17条
海上保安庁法 | e-Gov 法令検索
①海上保安官は、その職務を行うため必要があるときは、船長又は船長に代わつて船舶を指揮する者に対し、法令により船舶に備え置くべき書類の提出を命じ、船舶の同一性、船籍港、船長の氏名、直前の出発港又は出発地、目的港又は目的地、積荷の性質又は積荷の有無その他船舶、積荷及び航海に関し重要と認める事項を確かめるため船舶の進行を停止させて立入検査をし、又は乗組員及び旅客並びに船舶の所有者若しくは賃借人又は用船者その他海上の安全及び治安の確保を図るため重要と認める事項について知つていると認められる者に対しその職務を行うために必要な質問をすることができる。
第20条
海上保安庁法 | e-Gov 法令検索
①海上保安官及び海上保安官補の武器の使用については、警察官職務執行法第7条の規定を準用する。
②前項において準用する警察官職務執行法第7条の規定により武器を使用する場合のほか、第17条第1項の規定に基づき船舶の進行の停止を繰り返し命じても乗組員等がこれに応ぜずなお海上保安官又は海上保安官補の職務の執行に対して抵抗し、又は逃亡しようとする場合において、海上保安庁長官が当該船舶の外観、航海の態様、乗組員等の異常な挙動その他周囲の事情及びこれらに関連する情報から合理的に判断して次の各号の全てに該当する事態であると認めたときは、海上保安官又は海上保安官補は、当該船舶の進行を停止させるために他に手段がないと信ずるに足りる相当な理由のあるときには、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度において、武器を使用することができる。
一 当該船舶が、外国船舶(軍艦及び各国政府が所有し又は運航する船舶であつて非商業的目的のみに使用されるものを除く。)と思料される船舶であつて、かつ、海洋法に関する国際連合条約第19条に定めるところによる無害通航でない航行を我が国の内水又は領海において現に行つていると認められること(当該航行に正当な理由がある場合を除く。)。
二 当該航行を放置すればこれが将来において繰り返し行われる蓋然性があると認められること。
三 当該航行が我が国の領域内において死刑又は無期若しくは長期3年以上の拘禁刑に当たる凶悪な罪(「重大凶悪犯罪」)を犯すのに必要な準備のため行われているのではないかとの疑いを払拭することができないと認められること。
四 当該船舶の進行を停止させて立入検査をすることにより知り得べき情報に基づいて適確な措置を尽くすのでなければ将来における重大凶悪犯罪の発生を未然に防止することができないと認められること。












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